私の漆継ぎ教室でできること
漆継ぎ(金継ぎ)は壊れた陶磁器を漆で直すこと。ボンドや化学塗料を使って数時間で出来上がる簡易金継ぎもありますが、私は漆の仕事をしているので漆だけで直しています。漆は乾くのに時間がかかるため、1日に勧められる工程は多くても2、3。私の教室では月に1度の講座を約半年間通って欠けた器を3、4点、割れた器1点を直していきます。漆継ぎは大抵の方が初めて、漆に全く触れたこともないわけで、そうなると最初は小さな欠け、パーツの多くない割れの接着から始めるのがいいです。最初はとにかく「これをやるとこうなるから、こうして」と言われても「なんで?でもわかんないけど言われた通りにやるしかない」なんですけど、一度一通りやってみると、こうするとこうなるから今ここを気を付ける、というふうに出来る様になります。最初は焦らず簡単な直しをやってみる。これが基礎クラスです。基礎クラスでやることは、お裁縫でたとえると取れたボタンを付け直すくらいのこと。どんなに不器用でも、仕方ないなーってお裁縫箱出して自分でボタンを付けますよね。そのくらいの気持ちで漆の入った箱を開けて、ちょっとだけ欠けてる器、捨てるほどじゃなく少し欠けてる、でも使っていると侘しい気分になってしまうアレ、アレを「取れたボタンを付け直す」くらいの気軽さで直せるようになるのが目標です。漆継ぎを始めたいと思うきっかけが、たとえば8パーツくらいに割れてしまったコーヒーカップだったとします。でもそれはお裁縫に置き換えると、コートの丈詰めくらいの技術が必要です。コートの丈詰め、お直しのところに持っていきますよね。最初はボタン付けから始めましょう。
そして私の裏テーマは漆を好きになってもらうこと。乾かすのに温風かけても乾かない、ジメジメしたとこに置いておくと乾く謎の塗料、それが漆です。敷居が高いなんてことはないです。そして漆継ぎは家に段ボールかあれば(今は説明色々省きます。でもそのくらい乱暴な話でOK)できる、身近な漆工芸なのではと思います。
箔ブローチ作りワークショップ
漆継ぎ教室でお世話になっている鎌倉のJohnでブローチ作りのワークショップをします。ホオノキに和紙を貼り黒く染めて拭き漆をして仕上げた土台に漆を塗り、その漆が乾く直前に金箔を貼る作業です。漆は塗料でもあり、接着剤でもあるということを実感できてきっと楽しい。金閣寺の天井の金箔の貼り方と同じ、ちょっとした体験をしてもらいます。
ワークショップで使うのは直径50ミリの丸型。、この大きさでもホオノキは軽く、薄手のシャツに着けても垂れ下がってこないのが木製のいいところ。ブローチは当日お持ち帰りいただけます。使うのは年明けくらいがいいかな。自分用に、お年賀の小さなギフトに。
漆を塗って箔が貼れる状態になるまで待つ間は、おやつです。Johnといえばベカロミさんのおやつ。
これはある日の漆継ぎ教室のときのショートケーキ。今回はどんなおやつが出てくるかお楽しみ。(食品アレルギーがある方はお申し込みの際にお知らせください。)
12月11日 14:00~16:00 ドリンクおやつ付き 6500円
お申し込み、お問い合わせはJohnまで(Instagram @john _kamakura にDMまたはメールでjohn@travolta.jpへ)
2025年1月スタートの漆継ぎ講座
2023年から徐々に再開させた東京神奈川の漆継ぎ教室、場所によってスタート時期がバラけていましたが年明けからは1月スタートに揃えました。通える曜日、時間帯、場所、受講スタイルなどで自分に合ってるなというお店で受講してください。毎月1回、橙灯は日曜、Johnは水曜、土脈は金曜と土曜、kasiは火曜です。
神奈川県横浜市青葉台の喫茶橙灯。駅から徒歩3分くらい。ゆっくり歩くと5分。月曜夜間から日曜の日中にお引っ越し。私の出張講座で日曜日のクラスは久しぶりです。平日だと動けなかった皆さま、どうぞお越しください。そして橙灯ラバーの皆さま、日曜に橙灯でお茶が飲めるのはうるしぬりたしろの漆継ぎ教室の特典です。これまで数年間の橙灯の教室おやつのよりぬきzineを作ったのですが(これは橙灯で無料配布中です)橙灯常連さんから「これメニューにあったけ?」の声があるとのこと。そう、教室ではもしかするとメニューに無いものが出るかもしれません。こうして説明しているとまるでお茶会のお知らせみたいですけど、メインは漆継ぎ教室です。作業中は漆を扱っている緊張感があるので、作業後に片付けをしてお茶を飲みながらその日のおさらいと今後の作業についてお話をします。そんな橙灯のクラスです。全5回。
神奈川県鎌倉市材木座のギャラリーです。ここの教室を始める前は鎌倉混んでそうだなと思っていたけど材木座エリアはゆったり。駅から10分くらい、そのまま歩いて行くと由比ヶ浜です。ここも橙灯と同様おやつが魅力的な教室です。このクラスについて詳しくはこちらを。月に一度鎌倉へ足を運ぶっていいですよね。湘南新宿ラインのおかげで実は鎌倉はアクセスが良いです。全5回。
土脈はjokogumoの運営するギャラリー・ワークショップスペースです。場所は神楽坂、神楽坂駅からだと徒歩3分くらい、飯田橋からだと10分くらいです。jokogumo時代から続いている教室で2015年からやっています。2025年からは教室の受講スタイルを新しくしました。 毎月半ば頃の金曜土曜、各日2つ、合計4つのクラスがあり、事前予約して受講します。初めての方は初回講座という回を受講して、あとは好きなペースで通ってください。例えば1月の初回を受講する、2月は忙しいから次は3月、4月も受講して5月は飛ばして6月、はたまた毎月連続して受講でもOK。OBの方はご自宅で一人でやるのは難しい作業のときだけ受講というのもいい。(もちろん毎月来ていただいてもお会いできて嬉しいです!)土脈では作業後のお茶タイムではおやつ番長こと私が岩手から運んでくる岩手おやつで一息。
土脈のクラスについて詳しくはこちらを。
kasiは池尻大橋のデザイン事務所。kasiの千葉佳子さんは以前私の講座を受講してくれて(このウェブサイトのデザインも千葉さん)そのご縁で教室をやっています。池尻大橋の駅から2分かからないかな?雨の日でも苦じゃないです。ただいま9月期の講座を開講中。来期スタート時期は調整中。kasiでは千葉さんデザインの道具袋が付きます。
John漆継ぎ教室2025年上半期クラスのお知らせ
鎌倉のJohnの教室が1月から始まります。Johnは鎌倉の材木座にあるギャラリーです。
教室のスタイルは私が出張教室でやっている全5回のものです。要所要所の工程は教室で一緒に、反復の工程はご自宅で進めてもらいます。ちょっとした欠け、小さな器の割れの直し方をマスターする基本のクラスです。
全5回の基本のクラスは池尻大橋のkasi、青葉台の橙灯、講座の内容はどこでも共通しています。開催曜日や時間帯、通いやすい場所などで選んでいただければと思います。お店によって特色もあります。Johnの場合はbakeromiさんのおやつ付きということ。
bakeromiさんは私の教室の元受講生。彼女がパティシエというのは講座が終わる頃に知りました。Instagramを見ると美味しそうなおやつがずらり。でも彼女のおやつが食べられるのは鎌倉だけで、なかなか行く機会がなく、Instagramの投稿を眺めてはいいなーと思っていました。しばらく経って「私がおやつを納めているギャラリーで教室やりませんか?」と声を掛けてもらいました。教室をするならおやつの時間は担当してくれるというので断る理由がありませんでした。
講座の後にお茶を飲みながらその日の作業のおさらいや漆の話などをします。作業中は緊張している方も多いのでおやつが出てくるとみんなホッとして、美味しいですねと会話も弾んで、とても大事な時間です。
bakeromiさんのおやつは常時Johnのカフェで食べることができますが、教室のときは出来立てをその場で切り分け、盛り付けてサーブしてくれます。カフェでは出しにくい凝った構成のものが多いそうです。
これはある日のおやつ。シューアイスだーと食べ始めると、なんと下にはカスタードプリン。これはみんなざわつきました。シューの中のいちごのアイスクリームも美味しかったな。
bakeromiさんのおやつを食べにくると漆継ぎが習えると冗談半分に話したりしますが、冗談が半分ということは半分は本気。bakeromiさんの本気のおやつ、食べに来ませんか?そして漆継ぎもやってみませんか?私ももちろん本気で教えます。(楽しくね)
日程
全5回
1月15日
2月5日
3月12日
4月16日
6月11日
(予備日5月14日)
1回目〜4回目14:00~16:00 作業後に30分程度お茶の時間があります。
5回目14:00~17:00 作業の途中のお茶の時間を含みます。
料金
受講料 33250円(おやつ代含む)
テキスト代 1650円
材料用具代 12100円
お申し込みはJohnのInstagramにて
7月スタートの2024年下半期漆継ぎ教室
あっという間に今年も半分。現在東京神奈川の漆継ぎ教室はスタート月はランダムになっています。鎌倉のJohnは4月、横浜の橙灯は5月スタートとなっていて、来月7月に始まるのは前のポストでお知らせした神楽坂の土脈、そして池尻大橋のkasiです。
kasiはデザイナーの千葉佳子さんの事務所です。私の教室は基本の内容はどこでも同じなので通いやすい場所、曜日、時間帯でまず検討するとして、kasiを選びたくなる理由を挙げるならばかわいい道具袋がついているということ。もちろん千葉さんデザインです。
こういうのあると、新しいこと始めるときに気分上がりますよね。私はそういうタイプなので千葉さんから提案されたとき諸手を挙げて大賛成しました。もちろんここのクラスもおやつ付き。岩手出身であり東京在住の千葉さん、盛岡在住の私が交互におやつをセレクトしています。
日程:2024年下半期 全5回
1回目 7月9日(火)
2回目 8月6日(火)
3回目 9月10日(火)
4回目 10月8日(火)
(補講のための予備日 11月12日(火))
5回目 12月10日(火)
※必ず5回ともご参加ください
※予備日は天候不良、講師都合による休講の場合の予備日です
定員:5名
時間:18:30~20:30
※1回の作業時間は大体1時間半から2時間です。最後の仕上げ回のみ3時間弱かかります
※講座の終了後に30分程度のお茶の時間があります
場所:kasi
目黒区東山3-3-10 大沢ビル601
池尻大橋駅東口より徒歩1分
マンションの一室になります
受講料:32,150円(お茶代、テキスト代含む)
材料用具代:12,650円(道具入れ付き)
※道具をお持ちの方はご相談下さい。足りないものをお知らせします
※万が一参加できない日があった場合でも、キャンセルのご返金はいたしかねます
※銀行振込による事前お支払いとなります
講座内容:
直せる器は~5mmまでくらいの欠けがある器3、4点、
4パーツまでくらいの割れの器(直径20センチくらいまでのもの)を1点です。
大きい欠けや複雑な割れは、初心者には難易度が高いので、
まずはお裁縫でいったらボタン付けくらいのことをマスターしよう!という講座です。
欠けた器3、4点、割れた器1点程度を5回で完成させます。反復の工程はご自宅で作業して頂きます。
こちらも合わせてご覧ください。
http://jun-tashi.jugem.jp/?eid=121
お申し込みお問い合わせはws☆kasi-d.com(☆を@に)まで。
お申し込みの際は件名「2024下半期漆継ぎ教室申込」としてお名前、ご住所、電話番号、道具の有無をお知らせ下さい。
営業日3日以内にご連絡いたします。
今後のご連絡に資料をお送りするためPCメールからの連絡をお願いいたします。
携帯電話キャリアのメール(.ne.jpとつくもの)ですとはじかれる可能性があります。
展覧会「うるしぬりたしろ うるしで食べる」クッキー箱
お菓子好きならクッキー缶はワクワクしますよね。そのワクワクを自分でも作ってみたくてクッキー缶ならぬクッキー箱を作りました。箱はラフに桐箱に拭き漆をしたもの。お椀のようにしっかりとした塗りものではないのでお弁当箱のように使うには不向きです。お裁縫箱にしたり、細々したものを入れたり、ちょっとつまめる個包装のお菓子を入れるなど、クッキーの空き缶と同じように使って下さい。
中身のクッキーを焼いてくれるのはbakeromiさん。ですから味は太鼓判。そしてメインのクッキーはオリジナルの白鳥クッキー。これは私の仕事周りのもの、漆継ぎ教室のテキストや製品のしおり、ワークショップの時の資料「うるしのひみつ」などなどをデザインしてくれている伊瀬谷美貴さんに型のデザインをお願いしました。私が大好きな高松の池の白鳥をモチーフにとリクエストをしたら、こんなにかわいい、そしてちょっと「銘菓」のようなかわいいクッキーに。伊瀬谷さんとはよくお菓子の情報交換をしていて、こんなお菓子があったらいいねを考えて作ってみたいねと話していたことがあり、今回図らずも実現してしまいました。伊瀬谷さんにはかわいい包装紙も作ってもらいました。私の在店日ならラッピング対応できます。昔昔は販売員だったので包装得意なのです。
箱は無地、どうぶつ柄、どうぶつワンポイント(キツネ、キリン、オオカミ、シカ)があります。いつも何かを作るときは自分が欲しいものを作っていますが、完成して試作のクッキーが詰まっているとこを見て「欲しい!」と思いました。どうぞ鎌倉へお越しください。
クッキーは日持ちはするけど鮮度も大事。賞味期限ギリギリまで取っておくより、すぐ食べた方が美味しく感じます。せっかくなら美味しいものをということで、クッキー箱は13日と18日に半分づつ並べることにしました。最終日にご購入されてもちゃんと作りたてクッキーですのでご安心を。
展覧会「うるしぬりたしろ うるしで食べる」at GALLERY John
うるしで食べると美味しい気がする、そんなふうに思って作ったもの。
お椀やお箸、お弁当箱。
もちろん今回もおやつのお皿もあります。
カフェでは私の器でbakeromiさんのおやつをいただけます。
うるしぬりたしろ うるしで食べる
2024年1月13日(土)〜1月21日(日)
11:00~19:00(cafe_18:00)水曜休
GALLERY John
鎌倉市材木座1−6−22
https://gallery-john.jp