うるしぬりたしろ

お知らせ

    
  • 2024.11.28

    私の漆継ぎ教室でできること

 

漆継ぎ(金継ぎ)は壊れた陶磁器を漆で直すこと。ボンドや化学塗料を使って数時間で出来上がる簡易金継ぎもありますが、私は漆の仕事をしているので漆だけで直しています。漆は乾くのに時間がかかるため、1日に勧められる工程は多くても2、3。私の教室では月に1度の講座を約半年間通って欠けた器を3、4点、割れた器1点を直していきます。漆継ぎは大抵の方が初めて、漆に全く触れたこともないわけで、そうなると最初は小さな欠け、パーツの多くない割れの接着から始めるのがいいです。最初はとにかく「これをやるとこうなるから、こうして」と言われても「なんで?でもわかんないけど言われた通りにやるしかない」なんですけど、一度一通りやってみると、こうするとこうなるから今ここを気を付ける、というふうに出来る様になります。最初は焦らず簡単な直しをやってみる。これが基礎クラスです。基礎クラスでやることは、お裁縫でたとえると取れたボタンを付け直すくらいのこと。どんなに不器用でも、仕方ないなーってお裁縫箱出して自分でボタンを付けますよね。そのくらいの気持ちで漆の入った箱を開けて、ちょっとだけ欠けてる器、捨てるほどじゃなく少し欠けてる、でも使っていると侘しい気分になってしまうアレ、アレを「取れたボタンを付け直す」くらいの気軽さで直せるようになるのが目標です。漆継ぎを始めたいと思うきっかけが、たとえば8パーツくらいに割れてしまったコーヒーカップだったとします。でもそれはお裁縫に置き換えると、コートの丈詰めくらいの技術が必要です。コートの丈詰め、お直しのところに持っていきますよね。最初はボタン付けから始めましょう。

そして私の裏テーマは漆を好きになってもらうこと。乾かすのに温風かけても乾かない、ジメジメしたとこに置いておくと乾く謎の塗料、それが漆です。敷居が高いなんてことはないです。そして漆継ぎは家に段ボールかあれば(今は説明色々省きます。でもそのくらい乱暴な話でOK)できる、身近な漆工芸なのではと思います。